増田 一正 |第三章 強さ

03

【第三章】強さ

一週間、お待たせしました。
待ってくれている方、いらっしゃるといいなと思いつつ、「お待たせしました」と書いています(笑)。
どなたかー!待っててくれてますかーー!!

さて、今回は、「南阿蘇knot」の本拠地・・・。

という事で。
前回に引き続き、まず、SNSアカウントの紹介を。
「南阿蘇knot」と出てきたので、こちら↓↓

個人的にお気に入りなのはコレ↓↓

猫ちゃん。個人的過ぎますが(笑)。まだキャンプ場で出会ったことない・・・。
スマートフォンからだと枠をはみ出てしまっていらっしゃる方もいるかもですが、お許しを。

さて、本題(笑)。
今回は、「南阿蘇knot」の本拠地でもある久木野キャンプ場に戻って来てからのスタートです。
雨はまだまだ降りやみません・・・。
でも、雨をまとうくぬぎの林もなかなか乙ですよ。

久木野キャンプ場に戻って来た。
奥様とお嬢ちゃん二人の三人でお店番。
お客様はまだ誰も来ておらず。
雨だけん、来んとじゃなかかなぁと奥様とカズさんは話している。

時間があるならと、ひどくザックリとした質問をして、困らせてしまった。

「今」思うこと
増田 答えになるか分からんけど。
理想と現実ってありますよね。
それの浮き沈みじゃなけど・・・。
理想に向かってやらんといかんし。
それがうまく行けばいいんだけど、うまく行かない時もあるだろうし。
でも、今やっていることは多分無駄じゃないと思うし、やらんと始まらん。
もし、今ダメでもですね、5年後10年後、あぁ、やっといて良かったと思うかもしれんし。
ま、なんか、やることが大事なのかなって。
分かんないですけど(笑)。

そんな話をしていたら、若い男の子が二人、賑やかにやってきた。
いつもの常連さんのようで今日はプライベートで遊びに来たと。
カズさんが「兄貴」になる瞬間。
カレーを注文したので、ちょっと話しかけてみた。

アグリッシブ、東海大生。
熊本市内と後藤コーヒーファームで畑を借り、そこで野菜を作り、阿蘇と江津で販売。
活動しているのは3年生三人と1年生一人。
大きな声では言えないが、無農薬野菜。
マルデンのキーマカレーの大ファン。

「今まで食べてきたキーマカレーの中で一番で!
初めてきた時は、暑くて最高にバテてて食欲もなくて。
こんな辺鄙なところにホントにあるのかよっ!って迷いながら到着して。
でも、いざキャンプ場の中に入ってみたら・・・。
分かります??(うん、多分言いたいことすごく分かる・・・)
林の中がすごい涼しくて、こんな良いロケーションで、あのラブチェアーに座って、キーマカレーを頬張った時の感動ったら!!!!
それ以来、大ファンで毎週越させてもらってます!」

にっこにこの笑顔で話してくれた。
彼らがきてから、一気にお客様がご来店。
おば様グループとご夫婦と。
ご夫婦のお客様はお土産持参。

カズさんがアグリッシブの二人に「時間ある?ちょっと待っててもらえるかな?」
全然いいっすよ!と満面の笑みで答える。
彼らがカレーを待っている間、色々な話をした。

若い女子を阿蘇に連れてきた時、別れ際に「阿蘇に来たことなかったんだよね」とぽろっとこぼしたらしい。
そこでまた意気投合。
どうして熊本の人は阿蘇に来ないのか?の話題になり、もったいないんだよなぁ・・・と彼。
それは南阿蘇、引いては阿蘇地域、その周辺地域全体の課題なのかもしれない。
課題といえば、東海大の農学部の生徒の学部離れも問題のようだった。
地震以後、熊本市内の大学に教室が移動し、以前のような東海大農学部と阿蘇との密接な関係が廃れてきており、阿蘇に興味を持つ人がいなくなってきている。
(密接さは私も子供の頃から見知っている。
実際、お兄さんお姉さん達に遊んでもらった記憶もあり、某施設にいた時はバイト生が東海大生でお世話になっていた)
せっかく農学部に入っても、実習が終了する3年目からは他の学部のコマで単位を取り、阿蘇から農業から離れていってしまう学生が多い。
せっかく、農学部に入ったのに意味がないし、農業人口がますます減ってしまうと危惧していた。

お客様が捌けた頃、奥様が「お待たせい!」と二人にキーマカレーを持って来た。
「待たせたけん、大盛りにしとったけん!!」とカズさん。
こういうちょっとした気遣いが、兄貴と慕われる所以だし、大人のお客様でさえ、ブドウのお土産持ってきたくなる理由なんだろうなと、見ていていつも思う。
ちなみに奥様は常に母目線。
高校総体で食材の保管方法をミスった学生に対して。
カズさんは「あれも勉強たい。これで懲りて同じミスはせんごつなるど」
奥様は「今日はご飯、残らんかったけんねぇ・・・」

この二人が帰る頃には雨は上がり、蝉が競うように声をあげていた。

バタバタしてるところをちょっとだけパチリ

〜いろいろ1〜

その日は14時から消防団で清掃、その後は打ち上げとのことだった。
清掃にちょっとだけお邪魔してこの日は退散することに。

一段落した時が14時まで残り45分ほど。
まだまだ訊いていないことが山盛りだったので、簡単に答えられそうな質問をぶつけてみた。

阿蘇の好きなところは?
増田 時間というか、時間の流れというか。
沖縄時間みたいな?
増田 そうそう。
そんな「阿蘇の時間」があるかなぁ。
逆に嫌いなところは?
増田 んーーー・・・・・・。
人によっては昔のことを大事にしすぎて、新しい習慣とか受け入れないところがある。
なんていうかな、田舎特有の。
じいちゃんたちに多い・・・。
端から受け入れないみたいなところがあるかも。
よそもんを受けつけん!みたいな。
それをちょっと感じる時はありますね。
最近感動したこと。
増田 ・・・感動?!・・・んー・・・。
(パパねぇ、よく泣いてるー。ドラマとか映画とかで〜よく泣いてる〜)
ホント、すぐ泣く!(笑)。
(パパねぇ、ひとりでよく泣いてるよ〜。by次女ちゃん)
あらためて・・・天の川!あらためて、阿蘇の草原感を確認できたこと。
逆にがっかりしたことは?
増田 がっかり?・・・・・・。今んとこないですねぇ。
忘れられない人だったり、言葉だったり。
増田 忘れられない人・・・。あ、二つ言って良いですか?

一つは、ツリーイングの田中先生の言葉なんですけど。

「どんなにすごい木があっても、そこに人が携わるとか、人の思いが入らないとただの大木であって。
人の思いとか文化が入ってくるから、その木が人にとって皆にとって、良いものになる」

って。
多分・・・その思いはありますね。
縄文杉だって、ね。
森の中に誰も来なかったら、それはそれで素晴らしいけど、ただの木じゃないですか。
そこに人の思いがあって大事にしようと意思があって、ね。

もう一つは田中陽希さん。
グレートトラバース。日本百名山ひと筆書きの人。
プロアドベンチャーレーサー。丸坊主の人。
歩いて、なんもかんも歩いて山登る人。
すっごい面白いです。
海もカヤック使って渡って、山も。
地震の後、訪ねて来てくれて。
何回か一緒にご飯食ったり、山案内したり。
その時に3333段の・・・
美里町?
増田 はい、あそこの階段も一緒に登って。
むちゃくちゃ速いんすよ(笑)。
全然、敵わないくらい速くて。
で、先行っとってくださいって先に行ってもらって。
そしたら、残り30段くらいかな、残しとってくれて。
「この30段一緒に登ろう」って言ってくれて。
その優しさがほしいですね。
別に、なんだろう・・・。
頑張れとかそんなんじゃなくて、なんか本当温かかったですねぇ。
今でもちょこちょこ連絡取りあってて。
彼は今度、三百名山で徳島に入って行ったんかな。
やっぱ、すごいっすね。
あの・・・夢見るのは簡単じゃないですか。
でも、それを実際にやることは、責任持って一歩踏みだして・・・て考えると。
だって、すごいっすよ。
下から全部、山登るまで歩いて・・・想像つかないです。
でも、それを百名山、もうこの前全部終わって。
今度は三百名山やってる。
まぁ、有言実行じゃない・・・言わんでもやるっていうのはすごいですよ。
・・・なんか、やるかやらんかだけですよ(笑)。
・・・ですね・・・ 確かに・・・。
増田 言ってやるのが一番いいですけど。
言ってやらんのが一番いかん。
と思いつつ、中々できないっていう(笑)。
じゃあ、逆に心に突き刺さったままの言葉ってあります?
後悔とか。ずーっと残っている言葉。
増田 んー・・・後悔ねぇ・・・。
これはっていうのがないんですよね。
いっぱいありすぎて(笑)。
これだけはってあります?
ありすぎて、ぱっと答えられないですって(笑)。
   
なんかでも、羨ましいんですよねぇ。
これだけは!って、ぱっと答えれる人。
これだけは負けられないとか、これだけはもう・・・っているじゃないですか。
素晴らしいなぁって思うんですよねぇ。
いろんな考え方があるかもしれないけど、私は「この考え」だけしかできませんって言う人いるじゃないですか。
それはそれで素晴らしいことだし。
ある意味、羨ましいんですよね。
・・・うん。
やっぱ、そうならんといかんとは思うんですけどね。
なんか「逃げ」を作ってますよね。
これひとつしかないって思う人たちは、それしかないから逃げられないですもんね。
でも、こう何個か選択肢をおいとくと、自分も逃げられるし、なんかですね(笑)。
そうじゃないですか。
まぁ、難しいですね・・・。
決して、こっちが消えたからっていうんじゃないんですけど。
・・・それも大事なんですけど。
でも、格好良いなって思うのは、やっぱり、その「一つだけ」を集中してやってる人。
山ん中にこもってチェーンソーアートしてる人とか、またぎ生活してる人とか。
憧れますよ(笑)。
したいと思って、いざできるってなっても、できないですもんね(笑)。
そら、一週間とか半年とかなら良いかもしれんけど、それを死ぬまで「一生かけて俺はやるんだ」って人、格好良いっすよね(笑)。
でも、自分の中でちょっと一つあるのは。
さっきの場所(マルデン再開の地)、新しい再建の話になるんですけど。
なんか「阿蘇の時間」を好きって言ったのも、「阿蘇の時間」をこういった楽しみ方があるとか、できるよっていう・・・。
そういう作り込みをする人にはなりたいですね。
それがやりたいことかなって。
カレーだけだって思うんだったら、多分、カレー一本で突き詰めてやると思うんです。
けど、それじゃちょっと物足りない。
こうやって食とかアウトドアとか色々やってるのも。
この「阿蘇の時間」「阿蘇の空間」を楽しんでもらえるような、作り込みができるような人になりたいっていうのが、今朝言った将来の夢かなって。
じゃあ!本日の最後!!
ご自身をひと言で!!!
増田 (笑)。
だけん、それできんって言ったじゃん(笑)。
一つには、絞りきらんって(笑)。
あ!!そうだったっ!!!(笑)
増田 嫌いな食べ物もちょこちょこあるし。
でも、それは別に絶対に嫌いなわけではなくて。
だされたら食べるけど好んで食べないだけで。
(奥様に「ちょいちょいあるじゃなーい!」と突っ込まれた件(笑))
たくさんあるけん、選びきらんとたい!(笑)
と言いつつ、んーーーと考えるカズさん。
増田 もうヨシコちゃん決めて!(笑)
と言われたので、優柔不断にしときますね〜(笑)と。
増田 そうったいねぇ・・・。でも、そう言われるとムッとするったいねぇ(笑)。
でも、だからこそ、色んな角度からトータルで俯瞰して考えられるんじゃないですか?
増田 んーーー・・・。

と、ちょっとご不満そうでした。
なので、WEBで調べてみました(笑)。

「優柔不断」

悪い意味はもう皆さん、分かっていらっしゃるかと。
ただ、悪い面ばかりではないことも確かで。

まず、漢字「優」と「柔」。
この二つの漢字を見ていても、良いところ分かりますよね?
正にカズさんの性格、表しているように見えませんか?

「不断」
中々決められない様なんでしょうけれど、それは「思慮深い」からとあります。
決められないということは、それぞれの良い点悪い点が見えるから決め兼ねる。
故に「観察力が高い」。
そして、人の意見に流されて決断ができないこともあるのかもですが。
これは人の意見を「素直に聞くことができる」からだそうです。

カズさん、いかがでしょう。
ムッとしなくなるはずです(笑)。
あ、でも、カズさんと話してて「優柔不断」のもうひとつの側面、見つけました。
良くも悪くも「欲張り」ではないかと(笑)。

この日はここまででタイムアップ。
肝心なREASOのことには触れられず。
申し訳なかったのですが、翌日1時間だけ休日にお時間いただくことに。

清掃に向かう四人衆

帰りまーす!と声をかけると、「じゃあ!彦しゃんで6時ね!!」
はーい!と返事をして、帰った。
彦しゃん・・・懐かしい・・・。
久々に行きたいなぁ・・・。

今週はここまで。
そうそう、アグリッシブ、久永屋さんで「晴れた日曜」に出店してるそう。
行く行く!と軽く答えたものの、月末にならないと行けそうもない・・・。
それまで覚えててくれるかなぁ・・・。
差し入れ何持っていこうかなぁ・・・。

さて、来週はいよいよ最終回。
全然触れられなかったREASOのことをメインに訊いてます。
・・・訊けてるかな・・・ちょっと心配(笑)。
あ、でも、熱く語るカズさんはいます!!
「いろいろ2」もあります!!
お楽しみに〜!

マツモトヨシコ(箸だけ左利き)